髭は剃れば剃るほど濃くなっていくという説があります。
それに対して「そんなの気のせいだよ~」という声がよくありますが、一概に気のせいとは言い切れないかも知れません。
今回は、なぜ一概に気のせいだと言い切れないのか。そして、もし本当に剃れば剃るほど髭が濃くなるのなら、どのような剃り方をすれば濃くなりやすいのか、あるいは濃くならないように剃る方法はないのか、について解説します。
目次
剃れば濃くなるのは気のせいだという理由
本題に入る前に、まずは気のせいだと言う人の意見を見てみましょう。
A君「最近、頻繁に髭を剃るようになったせいか、なんか濃くなってきた気がするんだよな~…」
B君「それっての気のせいだよ(ドヤ顔)」
心配性なA君と、気のせいだと主張するB君。気のせい派のB君はどのような理由から気のせいだと主張しているのでしょうか。
毛の切断面が太く見えるため
B君「毛ってさ、根元の方よりも先っぽの方が細くなってるじゃん?」
A君「うん」
B君「剃ったらその細い部分が切り取られるじゃん?」
A君「うんうん」
B君「で、その切り取られた切断部分って太かった所じゃん?」
A君「そうだね」
B君「しばらくするとその太かった部分が伸びてくるじゃん?んで、剃る前と同じ長さまでなってくるじゃん?そうすると、剃る前と長さは一緒だけど毛先の太さが違うわけよ。剃る前の髭よりも剃ってから伸びてきた髭の方が毛先が太くなってる。だから濃くなったように感じるんだよ。もちろんそのまま放置しておくと摩擦などによって毛先は徐々に細くなってくるので、また元と同じ濃さになるけどね。」
A君「なるほど!!」
成長期とかぶるため
B君「あと、 “最近頻繁に髭を剃るようになった” って言ったじゃん?」
A君「言ったね」
B君「つまり、そーいうことだよ」
A君「は?」
B君「よーするに “最近頻繁に髭を剃るようになった” っていうのは、最近髭が目立つようになってきたってこと。つまり濃くなったということ。あとは何が言いたいか分かるよね。」
A君「は?」
B君「つまり、髭を頻繁に剃るようになったから髭が濃くなったのではなくて、髭が濃くなったから頻繁に剃るようになっただけ、ってことだよ。男は成長期が終了してぐらいから髭剃り始めるだろ?で、大体その頃から成長(オジサン化)によって髭もどんどん濃くなってくる。だから髭を剃り始めたせいで濃くなったと錯覚する。実際は、髭を剃り始めていようが髭を剃り始めていまいが、どっちみち濃くなっていたっていう。」
A君「あーそういうことね。たしかに言われてみればそうかも。」
剃れば濃くなる理由
気のせい派の意見の次は、気のせいだとは言い切れないという意見についてです。
A君とB君の会話形式は書くのがめんどくさくなってきたので、ここからは普通に書くことにしますね。
肌への刺激
あなたは、怪我をした場所が毛深くなったという話を聞いたことはありませんか?
私はあります。
で、なぜそういうことが起こるのかというと、諸説ありますが、
- 怪我をした部分を治癒しようと栄養分が集まってくるため毛が濃くなる
- 怪我をした部分を守るための防衛本能として毛が濃くなる
という説が有力なようです。
つまり、T字カミソリなどで髭を剃ったときは肌の表面には多少の傷が付きますので、その部分の髭が濃くなっていく可能性は十分にあるということです。
毛根への刺激
これは剃るというより髭を抜いた場合の話です。
髭を抜く、あるいは無理に引っ張ると、髭が太くなることがあります。
これも原因は諸説ありますが、
- 無理に抜くと肌に傷が付くため(あとは肌への刺激と同じ理由で)毛が太くなる
- 毛根の毛細血管に傷が付き、再生した際その毛細血管は太くなり、次から毛に栄養を多く与えるようになるため
というのが有力だと思います。
そして、刃の切れ味の悪くなった電気シェーバーなんかを使っていると、剃り切れなかった髭がシェーバーに巻き込まれて引っ張られたり、引き抜かれたりします。
つまり、電動髭剃りでも髭が徐々に濃くなってくる可能性があるということです。
また、髭を無理に抜いていると “埋もれ毛” や “ブヨブヨの太い髭が生えてくる” などのトラブルもあるので注意が必要です。
埋もれ毛とは、髭を抜いたときに傷ついた肌が再生することによって毛穴を塞いでしまい肌の内部に髭が閉じ込められてしまう状態です。
ブヨブヨの太い髭が生えてくるというのは、無理に引っ張ったり抜いたりを繰り返すことによって毛根がバカになってしまうためだと思われます。このブヨブヨ毛は私も経験したことがあります…
気のせいなのか濃くなるのか結局どっちなの?
ぶっちゃけ、気のせいなのか本当に濃くなるのかは、諸説がありすぎて不明です。確実にこれといった医学的根拠は今のところないというのが実情ですので。
ただ、経験則からいうと私は濃くなると思っています。
とくに抜くのはヤバいと思います。知り合いが脛毛を抜きまくっていると濃くなったという話があったり、私自身がブヨブヨの太い毛を経験したことがありますので。
まあ、疑わしきは罰するで、剃るときは気を付けるにこしたことは無いと思います。
濃くならない剃り方
上でも説明しましたが、剃れば剃るほど濃くなる可能性が “0” ではない限り、剃るときは気を付けたいところです。
でも、剃るときに気を付けろと言われてもどう気を付ければいいんだよ!?という話ですよね。
ここからは、それについて解説していきます。
T字カミソリの場合
濃くなる原因が肌に傷が付くことだとすれば、できる限り傷を付けないように剃ることです。
ではどのように剃れば良いかですが、ポイントは3つあります。
1.髭を柔らかくしてから剃る
まず、最も大切なのは髭を柔らかくしてから剃ることです。そうすることによって、できるだけ肌を傷つけず髭だけをスムーズに剃ることができます。
お風呂の時に剃る
一番良いのはお風呂の時に剃ることです。それも洗顔や入浴によって十分に髭か柔らかくなってからが良いです。
まず、頭を洗って、体と顔を洗って、お風呂に浸かって、そして湯船から上がって、それぐらいすると髭が最高潮に柔らかくなっている頃なので、そこでやっとシェービング剤を付けて剃る、といった感じです。
ちなみに、髭は朝方に一番よく伸びるので夜は剃らない方が良い(夜剃っても朝どうせ伸びるから)という意見もありますが、私は、朝風呂に入らないのなら夜の風呂の時に剃ってしまった方が良いと思います。
確かに、その日一日で見れば、朝に剃ることによって夕方になったときの伸びはマシになっているかもしれません。しかし、長いスパンで見れば、毎朝急いで剃って肌を傷つけ続けることによって、髭が徐々に濃くなっていっていた、なんて悲劇が起きるかもしれませんので。
お風呂に入る時間がない時は
どうしてもお風呂に入る時間がない時は、洗面器などにお湯を張って、そのお湯で髭を十分に濡らしてから剃りましょう。濡らしている時間が長ければ長いほど髭は柔らかくなってくるので、できるだけ何度も何度も髭にお湯を掛けてあげてから剃ると良いですよ。
また、シェービング剤のほとんどには髭を柔らかくする成分が入っていますので、髭にシェービング剤を付けて少し放置してから剃るのも良いです。まあ放置といっても長く放置しすぎると今度は肌荒れを起こしてしまう可能性があるので3分以内ぐらいが良いと思いますが。
シェービングジェルかシェービングフォーム(泡の方)のどちらが良いかについては、個人によって違いますので自分にはどちらが合っているのか実際に両方使ってみて判断してください。
ちなみに、私はフォーム派でした。髭が太い人には泡の方が剃りやすい気がします。
他には、蒸しタオルをあてるという方法もあります。水で濡らしたタオルを2分レンジで温めて、それを3分顔に当ててから剃るらしいですが、実際にやってみると結構めんどくさかったです。しかも大して剃りやすくならなかったです(私のやり方が悪かったのかもしれませんが)。
床屋さんみたいに上手にするにはそれなりにコツがいるのかもしれません。まあタオル濡らしたりレンジで温めたりめんどくさいので、わざわざやる必要ないと思いました。
普通に先ほど説明した、洗面器などに張ったお湯で髭を濡らすやり方で良いかと思います。
2.切れ味の悪いものは使わない
T字カミソリの刃の切れ味が落ちてしまっていたら、いくらお湯やシェービング剤で髭を柔らかくしても、肌を傷つけず髭だけをスムーズに剃るというのが、できなくなってしまいます。
なので、T字カミソリは剃り味が悪くなる前に交換しましょう。
交換時期は髭の太さや剃る頻度によって違いますので、何となく剃りにくくなったな~、と感じたら次からは新しい刃にする、といった感じでいいかと思います。
ちなみに、私は髭が濃かったとき1日1回の髭剃りで1週間に1回ぐらい交換していました。
あと、買ったけどしばらく使用していなかった替え刃だと、錆びていたりすることがありますので、そこも注意しましょう。
湿気の多い浴室の近くなんかに長期間置いていると錆が始まっていたりするんですよね。まあ、そういうことが起きないように、替え刃は一度にたくさん買い込まない方が無難かと思います。
3.剃り方に気を付ける
これはよく言われていることですが、逆剃りではなく順目に剃った方が肌には優しいです。
“順目に剃る” というのは髭の生えている方向に歯を当てて剃るという意味です。例えば、頬のあたりは髭が上から下に向かって生えているので、剃るときも上から下へと剃ります。
ただ、順剃りには、深剃りできないという欠点があります。髭が濃い人だと剃った後にプツプツが残ったり青髭っぽくなったりしてしまうんですよね。
その点、逆剃りはやっぱり断然深剃りができます。そのかわり肌を傷つけてしまうという諸刃の剣ですが…
なので、好きな人と初めてデートする時などの大勝負でどうしてもカッコ付けたい時は逆剃りにして、どうでもいい時や普段の時は順剃りにして肌を温存しましょう。ここは臨機応変に。
また、髭が太くて濃い人は、頬の上から下までを一剃りで一気に「シューーーーーーー」っと剃るよりも、「シュッシュッ」と何回かに分けて剃った方が良いですよ。
それから、一気に剃ろうとすると刃の間に髭が詰まってきて剃りにくくなるので、途中途中で刃に付いた髭を洗い流しながらにしましょう。
「シュッシュッ」→「バシャバシャ(歯に付いた髭を洗ってる音)」→「シュッシュッ」→「バシャバシャ(歯に付いた髭を洗ってる音)」→「シュッシュッ」って感じです。
まあ、髭が細くて薄い人なら一剃りで一気にでも良いかもしれませんが。
あと、当たり前ですが、T字は肌に強く押し当てすぎないようにしてください。
電気シェーバーの場合
電気シェーバーによって濃くなる原因としては、シェーバーが髭を引っ張ったり引き抜いたりしてしまうことによって毛根が刺激されるため、と考えられています。
ということは、髭を引っ張ったり引き抜いたりしないように電気シェーバーを使えばいいのです。
ポイントは2つあります。
1.切れ味の悪いものは使わない
上のほうでも書きましたが、電気シェーバーの刃のキレ味が悪いと、剃り切れなかった髭がシェーバーに巻き込まれて引っ張られてしまいます。
なので、できるだけ切れ味の良い電気シェーバーを使い、切れ味が悪くなったら刃を取り変えるpan>ことが大切です。まあ常に切れ味の良い状態で剃るのが理想ですね。
安物の電気シェーバーを使っていて、しかも刃の取り換えもめんどくさいので滅多にやらない、なんてことをしていると、毎回知らず知らず髭がシェーバーに引っ張られていて、気が付いたらブヨブヨノ太い毛がたくさん生えてきた…なんて悲しい事態が起きるかもしれません。
2.ヘッドを肌に強く押し付けない
大抵の電気シェーバーの説明にも書いてありますが、ヘッド部分(つまり刃の部分)を肌に強く押し付けてはいけません。
シェーバーのヘッドを肌に強く押し付けすぎると、ヘッドの中で回転あるいは振動している内刃に肌が触れてしまい、肌が傷つきます。
ちなみに、優しく当てて剃るのであれば、電気シェーバーは構造上(刃が直接肌に当たらないので)逆剃りでも大丈夫です。また、プレシェーブローションを塗ってから剃ると、ヘッドが肌の上をなめらかに滑り、さらに剃りやすくなったりします。
あと、電気シェーバーの場合、T字カミソリのときほど髭の柔らかさを気にしなくてもいいのですが、もしウエット剃り対応のシェーバーをお持ちであれば、T字カミソリのときと同じ要領で髭を柔らかくしてから剃るのもアリです。ちなみに、電動のウエット剃りが一番肌に良い!って意見もちらほらあります。
T字カミソリと電気シェーバーどっちが良いの?
T字カミソリの場合、肌を傷つけないように細心の注意をはらう。
電気シェーバーの場合、刃の交換を忘れないようにして常に切れ味の良い状態を保ちつつ、肌にくっつけ過ぎずに剃る。
これらを徹底していくのであれば、ぶっちゃけどちらも甲乙つけがたいです。
どっちもどっちといった感じですかね~。
ただ、究極的に言えば、高級な電気シェーバーを使い、しかるべき時に刃の取替をしっかりと行い、刃の鋭さを維持すること、そして絶対に強く押し当てないことを誓えるのなら、電気シェーバーに軍配は上がります。るかもしれません。
T字カミソリはどんなに細心の注意をはらっても、肌に極々微小な傷は付いてしまいますが、電気シェーバで、もし上記の剃り方ができるのであれば、肌にも毛根にも一切傷が付かずに済みますから。
ただ、労力などを加味して現実的にみれば、まあどっちもどっちです。
あと、今ふと思ったのですが、肌や毛根への刺激が髭を濃くする原因だとすると “振動” もなんらかの影響があるのかもしれませんね。
だって、傷などによって肌や毛根が刺激されるとそこに栄養が集まりやすくなるなんて説があるぐらいだから、振動だって慢性的に与え続けるとその部分の血の巡りが良くなって栄養が集まりやすくなる、なーんてことが有りえるかもしれない…
いや、もちろん医学的根拠とかそーいうのはなくって、ただ私が今ふと思っただけなんですけどね。
でも、そー考えると、電気シェーバーを使い続けるということは、人工的な超小刻みな振動を毎日のように当てることになるわけなので…
だからやっぱりT字も電動もどっちもどっちですね。
まとめ
剃れば剃るほど髭が濃くなるかどうかについては諸説ありますが、少なくとも濃くなる可能性は “0” ではない、というのが一般的な見解です。私は完全に “濃くなる説派” ですが。
では、剃れば濃くなる可能性があるのなら、できるだけ濃くならないような剃り方をしたいですよね。ということで、この記事ではその方法を紹介してきました。
かなり長くなったので、以下にざっとまとめてみますと、
- T字カミソリで剃るときは髭を柔らかくしておく
- お風呂の時はとくに柔らかくなるのでオススメ
- お風呂に入れなくても剃る前はお湯で髭を十分に濡らしましょう
- シェービング剤を付けて少し(3分以内)放置するといい
- 蒸しタオルは面倒だしイマイチ
- 切れ味の悪いT字カミソリはNG
- T字カミソリで逆剃りはなるべくやめとておこう
- 順剃りなら比較的肌が傷つかずに済む
- ただし順剃りは深剃りしにくい
- 髭が太く硬い人は「シューーーーーーー」ではなく「シュッシュッ」って複数回に分けて剃ろう
- T字カミソリは髭が詰まると剃りにくくなるので剃っているときもこまめに洗いながら剃ろう
- T字カミソリは肌に強く押し当ててはいけない
- 刃の切れ味が悪い電気シェーバーは絶対使わない方がいい
- ブヨブヨノ太い髭になるのが嫌なら電気シェーバーの切れ味は最高のものを
- 電気シェーバーのヘッドも肌に強く押し当ててはいけない
- 電気シェーバーで剃る前にプレシェーブローションを塗るのはアリ
- ウエット剃り対応の電気シェーバーでウエット剃りするのが最強という説もある
- 結局T字カミソリも電気シェーバーもどっちもどっち(どちらの方が髭を濃くしにくいとかそーいうのはない)
といった感じです。
いかがだったでしょうか?あなたの、髭剃りの参考にしていただければ幸いです。