前提として、エネルギーは糖、脂肪、筋肉のすべてから消費されます。つまりどれも燃えます。
順番としては、基本的に糖が優先的に消費され、脂肪と筋肉はその後です。
脂肪と筋肉の順番は、運動強度やその時の栄養状態によって左右され、激しい運動をしたり脂肪燃焼に必要な栄養素が足りていない場合は、脂肪よりも筋肉が優先的に燃えます。
でも、私たちダイエッターは糖や筋肉よりも、脂肪のみからエネルギーを消費したいと考えていますよね。とにかく脂肪だけを燃やしたいと。
そのためには、運動前や運動中に以下の3つを心がけます。
- 血糖値を上げる栄養素をとらない
- 脂肪の燃焼を促進する栄養素をとる
- 筋肉の燃焼を防ぐ栄養素をとる
ちなみに、1つ目の血糖値を上げる栄養素をとらないというのは、血糖値が低い状態で運動をしないと脂肪および筋肉の燃焼が始まらないからです。そのうえで、脂肪を燃焼しやすくして、筋肉の燃焼は防いでいきます。
それでは、ひとつずつ説明していきますね。
血糖値を上げる栄養素をとらない
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先にも書きましたが、脂肪の燃焼が始まるのは血糖値が下がってからです。血糖値が高い状態だと、体はまず先に血中の糖をエネルギーとして消費しようとします。脂肪の消費は後回しにされます。
ですので、血糖値を上げやすい栄養素はなるべく控えた方が、より効率的に脂肪燃焼を進めることができます。
血糖値を上げる栄養素とは、その名の通り『糖』です。つまり血糖値を上げる栄養分をとらないというのは、糖をとらないということになります。俗に言う糖質制限です。
とはいえ、一切糖をとらないというのは現実的ではありません。ほとんどの食べ物や飲み物に糖は含まれていますし、もし出来たとしても相当なストレスになります。
また、糖が完全に枯渇した状態で運動をしようとすると筋肉から糖を補おうとする反応(筋中グリコーゲンの分解)が起こり筋肉の燃焼を早めてしまうという問題もあります。
そこで、糖については、出来ればあまりとらないようにするけど、もしとるなら出来るだけ血糖値を上げにくい種類の糖をとるようにするというスタンスが良いかと思います。
血糖値を上げにくい種類の糖とは『果糖』と『多糖類』です。果糖はスポーツドリンクなどの清涼飲料水によく使われていますし、多糖類は芋やご飯などによく含まれています。ちなみに以前このブログで紹介した酵素ドリンク『優光泉』は多糖類が使われています。
まあ、糖質制限に関しては、どこまで徹底するかはその人次第ですね。より徹底したいという人は以下の記事を参考にしてみてください。
参考:リンク
脂肪の燃焼を促進する栄養素をとる
[簡略図]
脂肪の燃焼は以下の2つの過程によって成り立ちます。
- 脂肪が分解される
- エネルギーとして消費される
メカニズムとしては、まず『リパーゼ』という酵素が、余分な脂肪を『脂肪酸』というエネルギーの元となる物質へと分解します。脂肪酸は筋肉組織などにある『ミトコンドリア』というエネルギー変換装置まで運ばれ、エネルギーとして消費されます。
つまり、脂肪の燃焼を促進する栄養分とは、リパーゼを活性化したり、分解された脂肪酸をミトコンドリアまで運びやすくしたり、ミトコンドリアの働きを活性化したりする栄養分のことをいいます。
挙げてみますと、カフェイン、カプサイシン、シネフリン、アルギニン、ビタミンB群、ジンゲロール、L-カルニチン、リジン、メチオニン、カテキン、αリポ酸、コエンザイムQ10、タウリン、CoA、イノシトール、コリン、EPA、DHA、フォルスコリン、13-oxo-ODA、オルニチン、チロシン、フェニルアラニン、ケルセチン、イソフラボン、レシチン、サポニン、アラニン、キノコキトサン、などがあります。
まあ、たくさんありますね。
この中でどれが最も脂肪燃焼に効果的なのかは、その人の栄養状態(今なにが不足しているか)や元々の体質などによって変わってきますし、まだ研究過程で実はあまり効果がないかもしれないなど賛否があるものもありますので、判断が難しいところです。
ちなみに、私の独断と偏見でいうと、カフェイン、カプサイシン、カテキン、L-カルニチン、ビタミンB群、フォルスコリンあたりは、とくに有名なので比較的効果が期待できる方かなーと思ってます。
関連:リンク
筋肉の燃焼を防ぐ栄養素をとる
糖質制限をすることによって、血中からエネルギーとして消費できる糖が無くなると、脂肪と筋肉の燃焼が始まります。
ここで思うのが脂肪が燃焼されるのは嬉しいんだけど、筋肉が燃焼されるのは嫌だということですよね。
筋肉が減ると皮膚が下がってきたりして見た目的にもカッコ悪くなりますし、仮に痩せれたとしても長期的に見ると代謝が悪くて太りやすい体になってしまいます。そうするとリバウンドもしやすいですし。
先にも書きましたが、脂肪と筋肉が燃焼される順番は状況によって変わってきます。
例えば、強度が高い運動ほど脂肪よりも筋肉が燃焼されやすく、強度が低い運動ほど筋肉より脂肪が燃焼されやすいという傾向があります。極端にいうと、全力でダッシュすると筋肉は燃焼されやすいけど、寝ているときはほとんど筋肉は燃焼されずに済むということです。
しかし、だかといって運動をしないでいるとカロリー自体がほとんど消費されないので一向に痩せることができません。
それなりのペースで痩せたいのなら、ある程度の運動はする必要があります。カロリーを多く消費するためにも。
しかし、そうすると筋肉もやはり燃焼してしまいます。
で、そのために、カフェインだの、カプサイシンだの、フォルスコリンだの、脂肪が効率よく燃焼するといわれている栄養素をとろうとするんですが、実際にはそれでも筋肉は燃焼してしいます。ぶっちゃけ止まんないです。
ではどうすればいいのか?というと、糖質制限しながら運動もしたいのなら、筋肉の分解を抑える栄養素をとるということになります。
代表的なものとしては、BACC(バリン、ロイシン、イソロイシン)が有名です。必須アミノ酸の一種で、筋中のアミノ酸が分解するのを肩代わりしてくれたり、筋肉の回復を早めてくれたりする効果があります。
私が学生だった頃(10年以上前)は、トレーニングの前、トレーニング中、トレーニング後はとにかくBACCをとろうぜ!ってノリでした(笑)
あと、グルタミン、クレアチンなんかも有名ですね。これらも筋肉の分解を抑制し回復をサポートしてくれます。
そして、ここ20年ぐらいで大きな注目を集めている栄養素として『HMB』というものがあります。これは、今までトレーニングサプリとして代表的だったBACC以上に筋肉分解防止作用と回復効果があるといわれています。
私個人的には、筋肉は残し脂肪のみを効率的に燃焼させるというダイエットを目指すのなら、脂肪の燃焼を促進する栄養をとるというアプローチよりも、筋肉の燃焼を防ぐ栄養をとるというアプローチを重視した方が効率的だと思っています。
なぜなら、先ほども説明したように、自分にとって効果を及ぼす脂肪燃焼物質が何なのかは、普段の栄養状態や体質などによって変わってくるため判断するのが難しいというのがあるからです。
で、結局メジャーなものを選んで摂るんですけど、やっぱり筋肉も一緒に燃焼しちゃうので、いまいち効果が感じれなかったりします。
それなら、脂肪が燃えている間に、筋肉まで燃えないようにするのです。そうすれば、結果として脂肪だけが燃えて筋肉は残るので代謝の良い体が出来上がります。
まとめ
ここまでの説明をまとめますと、
- 血糖値が高いと脂肪ではなく糖が燃焼するので、まずは血糖値を上げないようにする
- そのうえで運動などによりカロリーを消費して、脂肪の燃焼をさせる
- しかし運動をするとどうしても脂肪だけでなく筋肉まで燃焼してしまう
- そこで、筋肉の燃焼を食い止める栄養素をとるようにする
- できれば脂肪の燃焼を早めるような栄養素もとれればいい
となります。